タロットカードはクラシカルで華やかなデザインの絵が印刷されているのが特徴ですが、それらのカードはただ美しいだけでなく様々なルールや意図の元構成されています。
この記事ではタロットカードに描かれている絵や文字の見方について解説したいと思います。
構成枚数と大分類
タロットカードは一組につき78枚のカードで構成されていますが、その内の22枚を「大アルカナ」、残りの56枚を「小アルカナ」と呼び大別しています。これは双方のカードに描かれている内容に違いがあるためです。
また英語では大アルカナをMajor Arcana、小アルカナをMinor Arcanaといい、タロットカードといえば概ね大アルカナのカードを指します。
※アルカナはラテン語由来の言葉で「秘密」「神秘」などの意味を持つ
カードの見方について
それでは大アルカナと小アルカナのカードにどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
カードに描かれているもの/絵柄
上記のように、大アルカナと小アルカナでは描かれているものの内容が違います。
大アルカナ…寓意画
大アルカナのカードにはそれぞれ寓意画が描かれています。寓意画とは「力」、「正義」、「死」といった抽象的概念や思想を普遍的なモチーフに置き換えて伝える表現方法です。(「天秤が描かれている=公平を表わす」、「白色が使われている=純潔を表わす」など)
このように形にはしづらいものの物事においてより大きく本質的な事象を扱っています。
小アルカナ…日常的な出来事
一方、小アルカナのカードに描かれている絵は大アルカナに比べてより具体的です。身近な日常に起こるストーリーを示しているとされており、瞬間的また日常的によくある感情や行動の変化など短期的に移り変わるものを意味し、問題の背景や詳細、解決のために今すべき行動を読み取ることができます。
カードに描かれているもの/文字
大アルカナ…カード一枚一枚に特有の名称がある。1は「魔術師」、2は「女教皇」など。
小アルカナ…「ワンド」「カップ」「ソード」「ペンタクル」という四つのスート(組)と数字(または人物)の組み合わせでカードを表わしている。「ワンドの1(エース)」「ワンドの2」など。 カード名が書かれているのは1(エース)と11~14にあたるコート(人物)カードのみ。
トランプを思い浮かべるとわかりやすいと思います。
カードに描かれているもの/数字
タロットカードには殆どのカードに数字が割り振られていますが、これらには数秘術(ヌメロロジー)という占いが取り入れられており、一つ一つに意味があります。
大アルカナ…0番~21番までの数字が振られており、番号としてだけではなく0から始まり21で終わる人間の成長過程、ひとつの人生の旅物語として捉えられるように構成されている。
小アルカナ…同じ数字や人物、スートごとに共通の意味が割り振られており、数字が大きくなるにつれ力を獲得またそれを発揮し成長していくさまを描くよう構成されている。
小アルカナの構成と用語について
上記でも少し触れましたが小アルカナのカードは一枚一枚独立した大アルカナのカードとは違い、四つの組(スート)と数字(または人物)の組み合わせで構成されています。
スート(組)
「ワンド」…棒の意。「バトン(杖)」と呼ぶことも
「カップ」…聖杯
「ソード」…剣
「ペンタクル」…護符。又は「コイン(硬貨・金貨)」とも
ヌーメラルカード(数字)
ヌーメラルカードは1~10まで。1はエース(A)と呼ぶ
コートカード(人物)
「ペイジ」…小姓
「ナイト」…騎士
「クイーン」…女王
「キング」…王
コートは宮廷の意。ヌーメラルカードの次に続くカード
カードの向き/正位置と逆位置について
タロットカードには正位置、逆位置と呼ばれるものがあります。これはカードに描かれた絵に天地(上下の向き)が存在するためです。絵柄として成立する向きが正位置、そうでないものが逆位置です。
上下を入れ替えても絵柄が変わらないというカードもありますが、その場合逆位置はないと判断するのが一般的なようです。
触れることが理解への近道
用語や要素が多く覚えるのが億劫に感じてしまうかもしれませんが実際に手に取り扱っていくうちに基本的な事はすぐ覚えてしまうはずです。
奥深いからこそ長く愛され、楽しまれているタロットカード。ぜひ気軽に触れてみて下さい。