【タロット本来の姿?】マルセイユ版タロットについての基礎知識

タロットの知識

当ブログでも扱っているウェイト版タロットは現代において世界で一番流通しているタロットカードだと思いますが、勿論それとは異なる様式のものも複数存在しています。
今回はウェイト版の次によく目にするであろうマルセイユ版タロットについて紹介していきたいと思います。

そもそもマルセイユ版とは?

【はじめに】タロットカード・タロット占いについての基礎知識の記事でも解説しましたが、タロットカードは中世ヨーロッパで誕生した当初専ら遊びや賭け事をおこなう為に利用されていました。

のちに占いなどにも使われるようになり用途の広がったタロットカードはその後もヨーロッパ各地で生産され続けていきます。
そして1930年代、あるタロットカードがフランス・カルタ社という所から復刻されることになります。 それは18世紀のマルセイユにて製造されていた為「マルセイユのタロット」という名で販売されることになりました。これがいわゆる「マルセイユ版タロット」です。

18世紀当時のマルセイユ版タロット

ウェイト版との違いについて

デザインの誕生した時代

マルセイユ版タロットの販売が開始されたのは実はウェイト版発売年である1910年から20年以上経ってからの事です。
ですがマルセイユ版というのはウェイト版が誕生するよりもっと前、タロットカードが占いにも利用され始めた18世紀当時に流通していたデザインの復刻カードです。つまり、ウェイト版が誕生するまでの約150年間はこのマルセイユ版やマルセイユ版とさほど変わらないデザインのタロットで占いも行われていたことでしょう。
よって様々なタロットカードがある中で「マルセイユ版タロットこそが本来のタロットカードの姿である」という主張も少なからずあるようです。

カードの絵柄

ウェイト版の小アルカナには情景を描写した固有の絵柄が一枚一枚に描かれていますが、マルセイユ版の小アルカナはトランプの様にスートとその数のみが描かれているカードが殆どです。

カードの仕組み

ウェイト版とマルセイユ版では大アルカナのカード順やカード番号に違いがあります。

愚者のカード番号

ウェイト版…0

マルセイユ版…番号なし、または00や22

カードの順番

ウェイト版…8→力、11→正義

マルセイユ版…8→正義、11→力

逆位置無しのカードの存在

上記にあるようにマルセイユ版の小アルカナはスートと数のみのデザインが多く、上下を反転しても絵柄が変わらないものがあります。(その場合逆位置なしで読み取りをします)
ウェイト版は全てのカードに逆位置が存在します。

マルセイユ版で逆位置のないカード

ペンタクル…1,2,5,6,7,8,9,10

ワンド…2,3,5,6,7,8,9,10

マルセイユ版のここがおすすめ

近世ヨーロッパの文化や歴史に触れることが出来る

マルセイユ版は18世紀頃実際に流通していたタロットを元に復刻販売しています。そのためカードに描かれている物やデザインから当時の技術や生活、文化を垣間見ることができます。

数秘術についての理解を深めることが出来る

マルセイユ版の小アルカナはウェイト版とは違いスートと数、そしてわずかなシンボルのみが描かれているカードが多くあります。それらを深く読み取るため必要になるのが数秘術です。
数秘術はウェイト版にも取り入れられていますがそれぞれ固有の絵柄があることにより判断材料も豊富です。
比較的に情報の少ないマルセイユ版タロットで占いをする際には数秘術に関する知識が結果を読み取るための手がかりとしてより重要になっていきます。

スートや数字に関してはこちらの記事にも解説があります。

ウェイト版についての理解をより深めることが出来る

ウェイト版は非常に完成度の高いタロットデッキですが、その誕生までに必ず過去存在していたカードたちの影響があったはずです。
マルセイユ版とウェイト版の共通点、相違点を比較し何故そうなるに至ったかを考えてみることはウェイト版に対する理解はもちろん、占い全体への理解や解釈をも深め広げるものとして非常に有効な手段だといえます。

時代に触れることが出来るマルセイユ版タロット

マルセイユ版はその見た目や由来などとても魅力溢れる素敵なタロットカードです。ヨーロッパや歴史が好きな人、またウェイト版に慣れてきた人もぜひ一度手に取ってみて下さい。